Ubuntu 24.04と26.04のサポートはいつまで?標準・ESM・Legacyの期限
Ubuntu 24.04と26.04の標準サポート、Ubuntu Pro(ESM)、Legacy add-onの終了日を公式データで確認し、ubuntu-distro-infoで残り日数を調べ、26.04へ上げるか無料のProで留まるかを決める手順。
結論:Ubuntu 24.04 と 26.04 はいつまで使えるか
Ubuntu 24.04 LTS のサポート終了日は3つあります。標準セキュリティメンテナンスが 2029年5月31日、Ubuntu Pro の ESM を付けた場合が 2034年4月25日、有料の Legacy add-on まで使い切った場合が 2039年4月28日です。Ubuntu 26.04 LTS は同じ順に 2031年5月29日、2036年4月23日、2041年4月30日です。どの日付も Canonical の release cycle ページと、Ubuntu 自身が持つ /usr/share/distro-info/ubuntu.csv から取った、2026年9月時点の値です。
24.04.5 のようなポイントリリースの番号は、この日付を1日も動かしません。動くのは HWE カーネルの中身だけです。つまり 24.04 のサーバーは apt upgrade を続けるだけで 2029年5月末まで main のセキュリティ更新を受け取り、無料の Ubuntu Pro を付ければ 2034年4月まで延びます。26.04 への移行は、その期限から逆算して決めればよい作業です。
サポートは3層に分かれている
LTS(Long Term Support、長期サポート版)は2年ごとの4月に出ます。1つの LTS のサポートは3層に分かれていて、どこまで使うかで終了日が変わります。
第1層:標準セキュリティメンテナンス(5年)。 リリースから5年間、Canonical が main と restricted の全パッケージにセキュリティ修正を出します。無料で、登録も要りません。24.04 は 2029年5月31日、26.04 は 2031年5月29日までです。
第2層:Ubuntu Pro の ESM(合計10年)。 ESM(Expanded Security Maintenance、拡張セキュリティメンテナンス)は Ubuntu Pro のサブスクリプションに含まれる仕組みです。esm-infra が main の修正を10年目まで延ばし、esm-apps が universe の修正を1年目から10年目まで供給します。24.04 は 2034年4月25日、26.04 は 2036年4月23日までです。
第3層:Legacy Support add-on(さらに5年)。 ESM の10年が終わる時点で購入できる有料の追加契約で、合計15年になります。24.04 は 2039年4月28日、26.04 は 2041年4月30日までです。個人の VPS でここまで使う人はまずいませんが、「Ubuntu は最長15年」という数字の出どころはこの層です。
release cycle ページは月単位で書かれていて(たとえば 24.04 の ESM は "May 2034")、ubuntu.csv は日単位(2034-04-25)です。両者が1か月ずれて見えるのはこのためです。計画は早いほうの日付、つまり CSV の日付で立ててください。
「サポート中」がサーバーで意味すること
Ubuntu のパッケージは4つのコンポーネントに分かれています。main と restricted は Canonical が保守し、universe と multiverse はコミュニティが保守します。標準サポート期間中に Canonical がセキュリティ修正を保証するのは main と restricted だけで、universe はベストエフォートです。修正が来ることも多いのですが、来ない場合に誰も約束していません。
自分のサーバーがどちらのパッケージに依存しているかは apt-cache policy で分かります。
apt-cache policy nginx fail2ban各パッケージの下に 500 http://archive.ubuntu.com/ubuntu noble/main amd64 Packages のような行が出ます。ミラーのホスト名は環境によって違いますが、見るのは noble/main か noble/universe かの部分です。2026年9月時点の noble では nginx は main、fail2ban は universe に入っています。つまり Pro なしの 24.04 では、fail2ban の脆弱性修正は保証の外にあります。
全体像は pro security-status が出してくれます。
pro security-statusインストール済みパッケージを main 系と universe 系に分けて数え、この機械が Ubuntu Pro にアタッチ済みかどうか、アタッチすれば何件の追加更新が受け取れるかを表示します。pro コマンドが無い場合は sudo apt install ubuntu-pro-client で入ります。sudo apt upgrade の出力に esm-apps という語を含む案内が出るのも同じ話で、そこに並ぶのは Pro でしか修正が来ない universe のパッケージです。
ここで大事なのは、26.04 に上げても universe の扱いは変わらないことです。universe を保証の中に入れる手段はアップグレードではなく、Pro のアタッチです。esm-infra と esm-apps の違いや Livepatch との関係は サーバーで Ubuntu Pro が実際に何をするか にまとめてあります。
ポイントリリース番号は終了日を動かさない
/etc/os-release を見ると、いま乗っているのがどのポイントリリースか分かります。
cat /etc/os-releasePRETTY_NAME="Ubuntu 24.04.5 LTS"
VERSION_ID="24.04"
VERSION_CODENAME=noblePRETTY_NAME と VERSION にはポイントリリース番号が付き、VERSION_ID と VERSION_CODENAME には付きません。サポート終了日が紐づいているのは noble というシリーズであって、.5 の部分ではありません。2026年9月時点で 24.04 の最新ポイントリリースは 24.04.5 ですが、24.04.1 のまま apt upgrade を続けている機械も、24.04.5 で入れ直した機械も、終了日は同じ 2029年5月31日です。
ポイントリリースはその時点までの更新をまとめた新しいインストールメディアで、既存のサーバーには apt upgrade で同じ内容が届いています。番号が何を意味し、何を意味しないかは Ubuntu のポイントリリースの仕組み で詳しく扱っています。
ポイントリリースで実際に変わるのはカーネルの選択肢です。24.04 の GA(General Availability、初期版)カーネルは 6.8 で、5年間ずっと 6.8 系のままです。HWE(Hardware Enablement)カーネルは、ポイントリリースごとに新しい中間リリースのカーネルへ入れ替わります。uname -r が 6.8.0- で始まれば GA、それより新しければ HWE です。どちらを選んでも 24.04 の終了日は変わりません。ただし HWE カーネルは次の HWE に置き換わるまでしか保守されないので、linux-generic-hwe-24.04 を入れたら更新を止めないでください。使い分けは サーバーで HWE と GA のどちらのカーネルを使うべきか を参照してください。
手元のサーバーで終了日を確認する
日付を記憶に頼るのはやめて、サーバー自身に答えさせます。データは distro-info-data パッケージの CSV に入っていて、Ubuntu Server には最初から入っています。
head -n 1 /usr/share/distro-info/ubuntu.csv
grep -E '^(24\.04|26\.04) ' /usr/share/distro-info/ubuntu.csv2026年9月時点の上流データでは、この2行はこう読めます。
version,codename,series,created,release,eol,eol-server,eol-esm,eol-legacy
24.04 LTS,Noble Numbat,noble,2023-10-12,2024-04-25,2029-05-31,2029-05-31,2034-04-25,2039-04-28
26.04 LTS,Resolute Raccoon,resolute,2025-10-09,2026-04-23,2031-05-29,2031-05-29,2036-04-23,2041-04-30eol が標準サポート、eol-esm が Pro の ESM、eol-legacy が Legacy add-on の終了日です。eol-server は昔サーバー版とデスクトップ版で期間が違った名残で、いまは eol と同じ値です。手元の CSV に eol-legacy 列が無ければ、distro-info-data が古いだけです。resolute の行が無い場合も同じ原因で、sudo apt update && sudo apt install --only-upgrade distro-info-data で追いつきます。
この CSV を読むコマンドが distro-info パッケージにあります。
sudo apt update && sudo apt install -y distro-info
ubuntu-distro-info --supported
ubuntu-distro-info --supported-esm--supported は今日の時点で eol を過ぎていないシリーズのコードネームを1行ずつ出します。開発中の次のリリースも含まれるので、見慣れない名前が1つ混じるのは正常です。--supported-esm は eol-esm を過ぎていないシリーズを出します。noble と resolute は両方のリストに入っているはずです。そして --supported から消えた古い LTS が --supported-esm には残ります。それが ESM の意味です。
残り日数は --days で出ます。
ubuntu-distro-info --series=noble --days=eol
ubuntu-distro-info --series=noble --days=eol-esm
ubuntu-distro-info --series=resolute --days=eolそれぞれ整数が1つ出ます。今日から eol または eol-esm までの日数で、毎日1ずつ減り、期限を過ぎるとマイナスになります。この記事に数字を書かないのはそのためで、読んだ日に実行してください。--codename を足すとコードネームと日数を並べて出せるので、ubuntu-distro-info --supported --days=eol --codename で一覧の残り日数を一度に見られます。
未来の日付で聞くこともできます。ubuntu-distro-info --date=2029-06-01 --supported は 2029年6月1日時点でサポート中のシリーズを出し、そこに noble は出ません。移行計画を立てるときに便利です。
これらのコマンドは全部同じ CSV を読むので、正確さは distro-info-data の新しさで決まります。apt-cache policy distro-info-data でバージョンを確認し、noble-updates から入っていることを確かめてください。Canonical が期限を変えたときは、このパッケージの更新として届きます。
26.04 に上げるか、Pro を付けて留まるか
期限が分かったら、選択肢は3つです。
選択肢1:いま 26.04 に上げる。 期限が 2031年5月29日にリセットされ、カーネルとパッケージが新しくなります。作業は do-release-upgrade で、手順と事前のスナップショットの取り方は Ubuntu 24.04 から 26.04 へのアップグレード手順 に書いてあります。新しいカーネルや新しいバージョンのソフトウェアが必要なら、これが答えです。
選択肢2:ポイントリリースの案内を待つ。 LTS から LTS への do-release-upgrade は、Canonical が meta-release-lts ファイルで次の LTS を Supported: 1 にした後にしか案内されません。慣例では最初のポイントリリース(26.04.1)の後です。いまの状態はこう確認できます。
cat /etc/update-manager/release-upgrades
do-release-upgrade -c
curl -s https://changelogs.ubuntu.com/meta-release-lts | grep -A 4 '^Dist: resolute'1つ目は Prompt=lts になっているはずです。2つ目は新しいリリースがあるかだけを調べて、アップグレードは始めません。3つ目は Canonical 側のフラグを直接見ます。2026年9月時点では resolute の Version は 26.04.1 LTS ですが Supported: 0 のままで、そのため Prompt=lts の 24.04 で do-release-upgrade -c を実行すると There is no development version of an LTS available. と出て、終了コード 1 で終わります。No new release found. という文言が出るのは Prompt=normal のときで、意味は同じ「案内できる新リリースが無い」です。文面は紛らわしいですが、これは故障ではありません。フラグが 1 になるまで待つか、do-release-upgrade が「No new release found」と言うときの対処 にある手動の方法を取るかの判断です。24.04 の標準サポートは 2029年5月まであるので、待つ側に立っても損はしません。
選択肢3:無料の Ubuntu Pro を付けて 24.04 に留まる。 ubuntu.com/pro のダッシュボードに Ubuntu One アカウントで入るとトークンが出ます。
sudo pro attach <トークン>
pro statuspro status で esm-apps と esm-infra が enabled になっていれば完了で、以後の apt update は esm.ubuntu.com のリポジトリも読みます。2026年9月時点で、Pro は個人利用なら5台まで無料、Ubuntu コミュニティメンバーなら50台まで無料です。台数と条件は変わることがあるので、アタッチする前に ubuntu.com/pro の記載を確認してください。会社の VPS は個人利用ではないので、有料契約が必要です。
どれを選ぶか。 1台の VPS を個人で運用しているなら、まず今日 Pro をアタッチしてください。無料で、universe の修正が今から届くようになり、期限が 2034年4月まで延びます。そのうえで 26.04 への移行を 2029年5月31日より前の予定に入れます。一番安全な時期は Supported: 1 が立ってから半年ほど後です。その頃には初期のアップグレード不具合が修正されています。会社の機械で Pro を買わないなら、universe の空白は期限に関係なく今もあるので、apt-cache policy で依存を洗い出し、universe 由来のものが多いほど早めに Pro か移行を決めてください。中間リリース(26.10 など)は9か月しか保守されないため、サーバーの選択肢に入れないでください。理由は サーバーに LTS と中間リリースのどちらを選ぶか にあります。
どの道を選んでも、期限の日付は ubuntu.csv の行が変わらない限り変わりません。半年に一度 ubuntu-distro-info --series=noble --days=eol を実行する習慣のほうが、カレンダーに書いた日付より確実です。
FAQ
Ubuntu 24.04 LTS のサポートは正確にいつ終わりますか?
2026年9月時点の distro-info-data では、標準セキュリティメンテナンスが 2029年5月31日、Ubuntu Pro の ESM が 2034年4月25日、有料の Legacy add-on が 2039年4月28日です。grep '^24.04 ' /usr/share/distro-info/ubuntu.csv で手元の値を確認できます。Canonical の release cycle ページは月単位で "May 2034" のように書くので、日付で計画するなら CSV の値を使ってください。
24.04.5 のようなポイントリリースを入れるとサポート期限は延びますか?
延びません。終了日は noble というシリーズに紐づいていて、ポイントリリース番号にもカーネルの版にも関係しません。ポイントリリースはそれまでの更新をまとめたインストールメディアで、apt upgrade を続けている既存サーバーは同じ内容をすでに受け取っています。変わるのは HWE カーネルの選択肢だけです。
Ubuntu Pro は VPS でも無料で使えますか?
個人利用なら、2026年9月時点で5台まで無料です。ubuntu.com/pro でトークンを取り、sudo pro attach <トークン> を実行して pro status で esm-apps と esm-infra が enabled になれば有効です。会社の業務で使う VPS は個人利用に当たらないので、有料契約が必要になります。台数の上限は変わることがあるので、アタッチ前に公式ページで確認してください。
26.04 へのアップグレードはいつ行うのがよいですか?
急ぐ理由がなければ、meta-release-lts で resolute が Supported: 1 になり、do-release-upgrade -c が新しいリリースを案内してからです。2026年9月時点ではまだ Supported: 0 で、Prompt=lts の 24.04 では There is no development version of an LTS available. と出ます。標準サポートの終わる 2029年5月31日までに終えれば十分で、Pro を付けていれば 2034年4月まで余裕があります。実行前にスナップショットを取り、ubuntu-distro-info --date= で移行後の期限を確かめてから始めてください。
ubuntu-distro-info --supported に noble が出ません。なぜですか?
原因は2つ考えられます。1つは distro-info-data が古く、ubuntu.csv に正しい行が無い場合で、sudo apt install --only-upgrade distro-info-data で直ります。もう1つはサーバーの時計が狂っていて、--supported が計算に使う「今日」が 2029年5月31日を過ぎている場合です。date で日付を確認し、timedatectl で NTP 同期が有効か見てください。